悠々自適

ピザ窯で手作りピザなんて作って
ドラム缶風呂で少年のようにはしゃいで
ところどころにラスタカラーがオシャレに散りばめられてて
レゲエがいいかんじに流れてて
毎朝ニワトリから卵をいただいて
子どもたちとカブトムシ捕りに行って
農業体験を通して周囲の農家さんみんなと仲良しで
漁師さんからたまに魚もらったりして
手作り楽器で焚き火しながら演奏したりして
生ゴミから肥料つくったり勉強要素も散りばめて
海外から住み込みボランティア呼んだりして
季節に応じたイベント企画したりして
うどん作りとか柚子胡椒作りとかさせてあげて
登山ガイドもしてあげたりして
嵯峨ノ島出張釣りサバイバルしたりして
船舶免許とって釣りしたりサンセットクルージングしたりして
キャンプめしどんどん上達して
BBQと天ぷらと鍋の達人になって
間接照明で小洒落た空間演出できてて
害虫全く出てこなくて
フラッと地元民が飲みに来て
目隠しして満天星空に連れてったりして
ハンモックで本読んで
キャンピングカーを置いてそこでも泊まれるようにして
いつのまにヤギとか馬とかアヒルとか犬とか猫とかトカゲとかたくさん動物がいて
電動ろくろで陶芸しちゃって
カラオケもおいちゃって
ワールドカップとか大きいスクリーンでみんなで応援したりして
島のイベントにはお客さんと一緒に参加して
チェキで思い出残したりして
薪割りの難しさ伝えたりして
ムベを植えて食べさせたりして
自転車レンタルさせてあげて
高浜を牛耳って
ホタルをみんなで見に行って
かんころ餅作って食べて
ペダルパブ（みんなでペダル漕ぎながらビール飲む車のやつ）走らせたりして
シカイノシシ仕留めて捌いてジビエ料理振る舞ったりして
自分が一番楽しんでて
自分の狙ったところでスパッとアオリイカが釣れて
天然うなぎが目をつぶってても捕れて
たくさんの友達みたいなリピーターゲストができて
毎日毎日予約入れなくても休みたい時に休めるように心が穏やかで
この仕事を共感して協力してくれる仲間ができて
我が子がいろんな人と触れ合ってたくましく成長して

はやくそんな悠々自適な生活を送りたい。
今、悠々自適な生活だなぁと思っている友人知人はどのくらいいるんだろう
あまい夢をだらだら抱き続けて、35の年、人生2度目の一文無しになろうとしている。昔、沖縄に移住しようかと話をしてた時におだがサラッと言ってた「貧乏を恐れない人は強い」という言葉。割と自分はその部類なのかもしれない

しかしふと思う。
もし上に書いたことがすべて実現したら、満足して飽きるんだろうか。次やりたいことのために新天地へ高跳びしたくなるんだろうか。今回はもう、そうではないと信じたい。きっとその頃には守るべき人が傍にいるはずだろうから