15ヶ国目 チェコ~地球散歩~
goproのバッテリーがひとつなぜか充電できなくなったり
iPhoneの予備バッテリーがなぜか充電できなくなったり
iPhoneの電池消耗がやけに早くなったり
帰りのバスのオンライン予約が何度やってもエラーになって日帰りで寄った街から帰れなくなりそうになったり
いろいろ細々と積もるストレスが、でも流れ落ちる景色がチェコにはあった。
プラハの街並みは夜景よりも青空と雲が似合う。曇多めだったけど。
チェコといえばのビールビールビール。
そりゃあもうね、麦の違いをまず感じるよね。違うよね。芳醇だよね。くまなく。くまなく芳醇。あとはあれよ、キレね。鋭かったね。えらい角度からズバッときてたね。ありゃ止めらんないよ。
うまかったのか拍子抜けなのかわかんないでしょ。ただうまかったー!て言うより興味沸くでしょ。
そうでもないね。それ以前に写真がビール主役じゃないしね。
みんなで漕ぎながら飲む楽しそうなやつ見かけた。乗りたかったなぁぁ失敗したー
"快適" と "旅感" は反比例なんだろか
次の国に入る前に必ず挨拶とか「いくら?」とか「アイラブユー」とかその国の言葉での言い方を調べるんだけどこのところどんどん使う機会が減ってる。世界共通語ってすごい便利と思う反面どこか物足りなさも感じる。そもそも店員とぐらいしか地元民と接する機会がなくなってしまった。
どこにでもあるWi-Fi、整備された観光地、通じる言葉、美しい街並み、おいしい料理、えらい角度からくる止められないアレ。
シティーよりネイチャーが好きだ。
街行くごとに魅了されてるけど、何か新しいチャレンジがしたい。
まったくなんてゼータクな話だかほんと。ヨーロッパのど真中で。
ないものをすぐねだろうとする卑しい部分ほんとなんとかならんものか。
しかし思うに自分はまだまだ受動的だ。
今までの忘れられない体験は、助けられたり、もてなされたり、誰かから提供されているものが多い。能動的な誰かは、たとえシティーでも面白いことにチャレンジしたり刺激的な1日を送っているのだろう。そういう人に人は惹かれついて行くんだろう。
人を魅了する人に、旅を経てなれたらいいな。
素敵ヨーロッパを早々抜けるもよし!掘り下げるもよし!
とにかく、人生クールよりフールだ!信じればsunnyだ!
14ヶ国目 オーストリア~地球散歩~
いやーー日本代表勝ったねやったねおめでとーー!!!
オーストラリア戦をオーストリアのウィーンで応援した結果日本がwinしたー!!
そう、
実は導かれていたのです。
なんつて。
これでロシアW杯が決まったかーく〜〜よかったよかった。母国のいないW杯なんてなんか気分盛り上がらないしねー。まー今んとこその時自分がどこにいるか応援できるかわからないけれども。
オーストリアの昼過ぎにアジア最終予選なんてゆうマイナーな試合をいったいどこで見れるのでしょうかと。LIVE観戦はあきらめ、そしてTwitterをはじめてあんなフル活用しました。2ちゃんとかニコ動とかよくわからなかったし、TV観戦してる皆さんのつぶやきをリアルタイムで追って応援してました。
もうねオーストリアのダイジェストはほぼ、それ。
ウィーン国立歌劇場でのオペラはサマーシーズンによりやってなかった。残念。
荘厳な建築物は、圧巻。
せっかくだから観てみたかったな。
オーストリア、ウィーン。街中が音楽に溢れて……ってほどではなかったけど、ストリートミュージシャンがちらほら各々の音色を奏でていた。宿からハーモニカを持参してくるのを忘れたことに気付く。隙あらばセッションしちゃうぜ、なんて浅はかな思い付きは一瞬で消え失せる。
それもそのはず。頭の中は日本代表の勝利でルンルンだったのだから。
さぁ日本の女性たちよ君らはどうする。
9月か〜だんだん肌寒くなってきたなぁー
ハンガリー、スロバキア、オーストリアをさくさくさくーっと通り抜け、なおも北上、北上。
13ヶ国目 スロバキア~地球散歩~
なんかこう、渋い。そんな印象、スロバキアの首都ブラチスラバ。
歴史も何も知識のない小僧にしたら、そんなもん。
どこに行くにしても国と国を結んでアクセスしやすいのは主要都市だから、そこだけ見ればその国制覇した気になっちゃう。この国は郊外に足を延ばしてはじめて味わい深くなるのかもしれない。でも予算と時間の兼ね合いがあるからねー、まぁどれを取捨選択するかなんだなぁ
宿で会ったのは韓国の男の子とインドで出会いそこから一緒に旅してるという日本の男の子。ほんの少しの会話で、(あ、この人とは別に関わり合わなくていいや)と直感的に脳みそが判断した。行き先が同じ次の国で夜飲みましょうと誘われたけど、断った。
自分が思ってた以上に結構好き嫌いがあるのかもしれない。
会社とか仲間内とかそういうネットワークから離脱してるいま、誰に近づこうが誰を敬遠しようが誰にも何も言われない。いや本来日本にいたときだって自分は自分、自由でいいんだけど、そこにあるのは社会というもので。
八方美人。誰とでも打ち解け、分け隔てなく接するよう努めてた。べつに窮屈とか思わなかったし、誰とでも仲良いよねって言われた時は気持ちよかったし、楽しかった。
でもそれは本来の自分じゃなかったのか?だって今割と好き嫌いしてる。優しさ?気遣い?思いやり?歳重ねただけ?素の自分って?ぐーるぐるぐる…………
今もそれを楽しんでる。
いろんな人がいて面白い、それは確か。
でも誰とでもじゃない。
はっ。気付く。
こうやって好き嫌い振り分けてるのって日本人相手の時ばっか。
なんでだろう。
いろんな国にある、日本人宿とかもどうも気が進まない。1回くらい行ってみたいと思うけど。
なんでだろう。
今はわからん。
誘いに乗って飲みに行けばまたおもしろいことが起きるだろうか。起きるかもしれない。もう少し話してみれば印象も変わるかもしれない。
でもいいんだ。直感を信じればいいんだ。
どこに行くかも、誰といるかも、毎日が取捨選択。
12ヶ国目 ハンガリー~地球散歩~
首都ブダペスト。
立派なドナウ川に沿うように見事な建築物が建ち並び、中央広場は活気で溢れ、治安もよくカラッとした空気が心地よい。交通網も整備され、どこに行くも不自由ない。
皇居ランならぬドナウランとでも呼ぶのだろうか、日が暮れると川沿いを多くのランナーがライトアップされた絶景を縫うように走るのを見かける。なんてゼータクな連中なんだ。
チャリンコにまたがる人も多く見かける。
レンタルも充実。
広場にはセグウェイ。
日本って新しいもの全然取り込まないよなーなんだか粗探しをしてるかのように何かあるとすぐクレームつけるというかーー人と違うことしてるだけでその人は白い目で見られるというかーーなんてぼーーっと考える。
ちっちゃめスーパーにてイスタンブールで宿が同じだったよしと君とバッタリ。
彼はトルコ→ブルガリア→チェコ→ハンガリーと周っていて全然違うルートなのにね。こうゆうのあるよね。イタリアに向かってるっていうから素敵なヌーディストを紹介するよって提案したら全力で断られた。
ブダペストといえば温水プール。
や、本当は温泉なんだけどね、夏仕様なのか元々こんなもんなのかわかんないけど完全に温水プールでした。浸かりながらジジイ達がチェスしてるって聞いたけど全くしてない。流行り去った?それでもサウナは最高でした。
それにしても外国人はおばさんでもババアでもおばあちゃんでもどんな体型でも構わず着たい水着を躊躇せず(おそらく)着て夏を楽しむよね。普段の服装も然り。人の目気にせず自分のやりたいようにやって人生楽しむっていいね。
立派な背中だったぜババア。
11ヶ国目 イタリア~地球散歩~
そうするといつかまたここローマに再訪できるらしいと、トレヴィの泉にコインを後ろ向きから投げたのが19歳の夏。
どうやらその言い伝えは本当だったらしい
本当はローマというかイタリア来る気なくて。
ギリシャからアルバニアにたまたますぐ行けずしゃーなしと海を渡ってイタリアに入り、すぐまた海を渡ってクロアチア入ろうとしたけど、丁度そのタイミングだけたまたまフェリーの運航スケジュールが自分と合わず。という具合。
なんだかローマに導かれた気さえする。
クロアチアのドブロブニクを見逃すのは惜しいけどなー
ってかそこもあれじゃん「紅の豚」の舞台の場所じゃん。ギリシャのビーチから引き続き追っかけるほどしゃべる豚の熱狂的ファンじゃねーやい。
ローマを歩くと大親友野郎たむと1ヶ月ヨーロッパを周った時の記憶が蘇り感慨深くなった。
当時はWi-Fiはおろかスマフォなんて無いしGPSなんて無いなか地球の歩き方1冊だけで周って……いろいろあったなぁー。
トレヴィの泉は行きたかったけどコロッセオとかサン・ピエトロ大聖堂とか真実の口とか行く気が起きず。思い出を上書きしたくなかったのかな。
その代わりある事に気付く。
ローマのホーム オリンピコスタジアムでやるじゃあーりませんか!!長友も見れるじゃあーりませんか!!
やっぱ現地人と盛り上がるためにはユニフォーム必須でしょ!最高品質の5Euroのシャツを身に纏いいざスタジアムへ。
1点リードで折り返した後半にインテルに3点取り返されボコボコにされるってゆうロマニスタにとっちゃ悪夢のような結果だったけども。臨場感、ライブ感、熱狂やら発狂やら、本場ヨーロッパで現地人とたくさん味わえて面白かった。長友ちっちゃかった。がんばってた。
一生忘れない、たむと周った時、最後の最後にマドリッドにてようやく買えた念願のサッカー観戦チケット、日付を勘違いして棒に振り天を仰いだこと。
書き連ねたらキリがないや
いつか必ずヨーロッパリベンジしよーぞ相棒!
ローマ3日目。カウチで出会ったポルトガル人ヴィトー。生粋のゲイであり、ヌーディストの彼はとにかくジェントルマンでホスピタリティに厚く、手作りパスタにビールにたくさんをもてなしてくれた。ヌーディズムな人に初めて会った。簡単に言えば基本全裸マン。ありのままの自由を愛するナチュラリスト。一晩彼の家に泊まって自分には男同士など断じて無理だと生理的に結論付けたけど、彼がそうなった経緯とか文化とか興味深かった。世界にはいろんな人がいるんだなぁ。
ローマに行く前にかわいらしい街に行ったよその名もアルベロベッロ。イタリア南部の街バーリから電車で1時間半ほど。
バーリで安くgoproを手に入れたから上機嫌で車窓からブドウ畑を眺める、の画。
とはいえ次またスられたり壊れたりしたらシャレにならんので本当に気をつけなければ。
とんがり屋根が特徴的な街並み。名前もいいよねアルベロベッロ。
イタリアは至る所でジェラートやら切り売り焼きたてピザが食べれてよいよい!
10ヶ国目 ギリシャ~地球散歩~
ギリシャはアテネ。
ここはそう、芸術の街。どこを歩いても芸術に出会える。
昨今の経済事情は、時に人に美を追求させるのかもしれない。
住民誰しもがアーティストなのだ。
商店街、街角、ショッピングモールでさえ照明が落とされCLOSEDの看板がかかっている。「この日は日曜日だからどこもやってないよ」宿のおばちゃんは言う。
賑わっているのは観光客向けのおしゃれカフェ、レストラン、土産屋のみ。
ここで買うつもりだったgoproは買えなかった。パルテノン神殿も遠目に見ておしまい。
トルコのすぐ上のブルガリアに行くか。エジプトを目指しちゃうか。ヨルダンとかそっちを攻めるか。いろいろ迷った挙句、次の行き先はギリシャを選んだ。
ギリシャといえばカップル達がこぞって訪れる魅惑的な島々。サントリーニ島やミコノス島なんてこの8月真っ只中に行ったら、こんがり焼けた小麦色ダイナマイトセクシーレディをマッチョ彼氏にバレないように拝み放題にちがいない。拝んだ結果独りでいるのに耐えられなくなり帰国チケットを買うにちがいない。
しかしせっかく来たからには!
数ある選択肢のなかで選んだのはザキントス島。
ここに人の言葉をしゃべる"豚"がいるらしい。
アテネからバスとフェリーでおよそ6時間。
ハイシーズンハイコストスペシャルドミトリールームはどんなもんじゃいと、チェックインした先にあった部屋がこちら。
えぇ…。
受付のおねーちゃんに確認しに行く。
「ええアナタだけどそこでいいわよ」
ひとりでリラックスできるのはいいけどなんか複雑だ。
しかし困惑してる場合ではない。時刻はすでに16時。急いで乗り物レンタル屋に向かう。
「あなたの国際免許証じゃスクーターは借りれないわ」
じゃあしょうがねぇチャリで行くしかねぇ。シップレックビーチ(道のりおよそ30キロ)にチャリで行くのは遠すぎだよとお姉さんの助言を一蹴し勢いよく漕ぎ出す。
こちとら千葉から佐渡ヶ島までチャリで行った経験があるんだ日本男児をナメてもらっちゃあ困るぜお姉ちゃん!
漕ぎ出して30分、街を出てこれから山道に入るというところで引き返す。
………ムリ。
佐渡ヶ島へ行った1年半前から体力の衰えを痛感せざるを得なかった。
根性で辿り着いたとしても、帰り、日が落ちる、山道、死ぬ。
「ほら言ったじゃない遠すぎるって!」
苦笑するお姉さんに半額返金してもらい、おっ高い四輪バギーを借りるしかないかと思ってたけど違う店でスクーターふつうに貸してくれた。
山道をぶっ飛ばすこと1時間半。
シップレックビーチ改め
ナヴァイオビーチ。
ジブリ「紅の豚」の主人公ポルコが隠れ家にしているビーチのモデルになったとこ。
今までの人生で見たことない色してた。
ただめちゃくちゃキレイなだけじゃなくて、なんというか、神秘的だった。言葉に言い表せません。(語彙力がないだけ)いやー疲れふっとんだーー
ビーチに実際に行くにはおっ高いツアーで午前中に船に乗るしかないらしく、もう1泊しなくちゃいけないし、goproないし断念した。泳ぎたかったなぁぁ。崖から覗き込んでると本当にジャンプして飛び込みたくなる、そんな衝動に駆られる景色だった。
ポルコ(しゃべる豚)には会えなかった。きっとジーナ(しゃべる人間)とどっかでワインでも飲んでるんだろう。
辿り着いた達成感が気持ちよかった。
まわりは夏休みで来てる人が多いなか世界旅してまわってこんなとこにも来ちゃうんだぜって高揚感がでかかった。
翌朝スクーターでホテル近くの海に出かけ優雅な朝食(ポテチ)をとり、ギリシャ第3の都市パトラへ。
なんで日曜じゃないのにこんな店閉まってんの!?
アテネと変わらず観光客向けの場所は開いてるし店員さんの愛想もいいけど、駅の人とか超無愛想だし次のアルバニア行きのバスのチケット買うオフィスに至っては、営業してるのに店員どっか行っちゃってるらしく全然戻ってこない始末。
街全体が薄暗く、活気がないように見える。
オフシーズンで観光客がいなくなったらどんなかんじになるんだろう。
安宿も全然ないから次行っちゃいたいけどチケット買えないし。やっとgopro売ってるとこ見つけたと思ったらめちゃ高いし。(トルコでのぼったくり野郎アリムラスがギリシャのほうが安く買えるって言ってたのにあの野郎‼︎)
ギリシャはなんか島以外はあんま好きじゃないなー。もっと頑張んなよ働きなよ‼︎と思うのは日本人特有の性からか。(そもそも人のこと言えませんでした)
早く出たいししゃーない。アルバニアとか全くもってよくわからん国行ってみたかったけど。行き先を変えるか。
ヨーロッパ編、一寸先は闇!
9ヶ国目 トルコ~地球散歩~
フェリーでカスピ海を越えてから電卓を出す機会がなくなった。それまでのモンゴルや中央アジアでは「いくら?」を現地語で伝え、でも数字がわからないからポケットからサッと電卓を取り出して打ってもらう方法をとってた。他の旅行者はもっとうまい方法をとってたのかもわからないけど、それが自分にとって最善だと思ってた。iPhoneの電卓を毎回出すの面倒だったからね。でももう、モノ売る人たちのほとんどはロシア語ではなく、数字ぐらいの英語は浸透している。
そして天気。同じくカスピ海を越える前は快晴じゃない日なんてなかった程だったのに、たまーに雨が降る日もチラホラ出てきた。これからは天気も考えて行動しなきゃなのかー。まぁでも晴れ男だから大丈夫かー。そんなところでも地球を移動してんだなって感じる。
9ヶ国目トルコ
ひとつ目の街、トラブゾン。いかにもトラブルが起きそうな街でしょ。
カウチサーフィンでナイジェリア人の家に転がり込み、街へ繰り出す。ナイジェのモハメドはその日は仕事で帰りが24時だから、玄関の鍵を玄関前のとこに置いとくから勝手に入ってくれと。ありがたやお世話になります。
17時ごろ一旦家に戻ろうとして鍵を見つけ鍵穴に差し込む。
開かない。鍵が回りきらない。
押しても引いても力込めてもどうあがいても開かない。
かろうじて家の中から漏れてるWi-Fiにつなぎモハメドにメッセージを送る。
「玄関が開かないよ!鍵が回らないんだ」
モハメド「Wow haha......Funnyyy man」
完全に軽視しておる…
諦めて24時まで外でやり過ごそうと一度また外に出るも体力切れで2時間でまた戻りまた試みるも開かない。ふとアパートのお隣さんのインターホンが目に留まる。感じのいい男が出てきたものの彼もまたどうやっても開けられない。
「もしOKなら、家主が戻るまでキミの家にお邪魔できないかい……?」
少し彼は戸惑っていたがタイミングよく彼の母親や子供たちが帰ってきて、お母さんがあがんなさいあがんなさい!と歓迎してくれた。
彼はプラカくん。とにかく笑顔を絶やさない超優しいマン。お腹空いてないかい?コーラがいい?チャイがいい?ブドウあるよ!お菓子どうぞ!眠かったらここに横になっていいよ!日本のアニメが好きなんだ!わずかな英語と身振り手振りだけどおもてなしの気持ちが溢れんばかりに伝わってきた。
お母さん含めプラカくんや家族みんなとっても優しい楽しい人たちに本当に救われた。
結局25時ごろモハメドは帰ってきて別れ際にプラカくん手作りのブレスレットをくれた。
赤黄緑じゃないやつ
ただ玄関が開かなくて立ち往生してただけの見知らぬ人になんでそこまで!大切につけるね!玄関ぶっ壊れててよかったよ!プラカくん宅に泊まりたかったよもはや!
結局ハナで笑ってたモハメドでも開けられず、プラカくん宅から窓を伝い中に入り中からこじ開けてた。
翌日隣りのインターホンを押してみたけどプラカくんは残念ながら外出中。お母さんにありがとうを伝え、港町ならではの久々のよくわからん魚を食らいトラブゾンをあとにする。
ふたつ目の街、ギョレメ。いかにもギョッと大目玉食らいそうでしょ。
ここでもカウチサーフィンを使い、ホストの人ととなり町ウチサルのカフェで待ち合わせる、も3時間たっても来ない。連絡も返ってこない。もうええわ。諦めてひとまずギョレメまで向かいたいも交通手段が見つからずヒッチハイクを敢行。
30分後ひとりのおっさんが停まってくれたしその晩はそのおっさん宅に泊まった。
とまぁむちゃくちゃな展開なんだけど、セミさん(おっさん)はここらの伝統工芸品、キリム生地を使ったバッグなどを扱うビジネスマンでとにかく口を開けばビジネスの話しかしないアツイおっさんなのです。それゆえ街には至る所に彼の友人が店を構えたりしていて色んなところに顔を出してはチャイをごちそうしてくれた。
「トルコでは友人が来たらまずチャイを出すんだ。友人からはもちろん代金なんてとらないんだぜマイフレンド」
彼もまた厚いホスピタリティの持ち主である。
キリムカーペットの作業場にも行き、カーペットの洗浄作業を体験させてもらった。キルギスでもその地の伝統工芸の工程に触れたり、そうゆう縁があったりして。
他にもたまたまその日が月に一度の別の街のアンティーク市場の開催日で、セミさんの掘り出し物探しに付き合ったり、夜はまたまたたまたまやってたお祭りに行き屋台メシを共にした。
なんとまぁみなさん昨日今日出会ったばっかの人にそこまで尽くせるのだろうか。嬉しい限り。今はたくさんもらう側でいい。旅が終わって、尽くす側になろう。
セミさんに1日お世話になったあと、ギョレメのゲストハウスに移動する。ここギョレメを拠点としたエリアその名もカッパドキア。世界有数の気球に乗れる地。セミさんの紹介のアキコさんという方から早朝4時半集合気球ツアーを申し込んだ。
圧巻。気持ちよかった〜‼︎‼︎
気球のパワーすげぇし地球の迫力感じた。
同じ宿のまごさんとけんたろくん。
熱フーセンとガムフーセン
アキコさんもとってもいい人で、おすすめレストランや観光スポットのみならずトルコ在住者ならではのトルコ事情をいろいろ教えてくれたのが面白かったな。トルコ人は決して自分の国以外のものは口にしない、とか。時間ある時に何度も訪ねてはその度チャイやらなんやら迎えてくれてありがとうございました!
同じ宿のカナディアン、コールくんと岩石群でできたカッパドキアを縦横無尽に駆け巡る。
2人連結自転車で。白色のこの自転車をジェシカと名付け、時々笑ったり(意:サドルがキュルキュル鳴ること)不機嫌になる(意:チェーンが外れること)そんなジェシカを尻に敷いてコールくんとふざけあったのもいい思い出。カナダ行った時は会いたいもんだ。
ギョッと驚く光景に遭う気球と岩石の街ギョレメ。また訪れたい街。
3つ目の街、イスタンブール。いかにもスクランブルが起きそうな街でしょ。(ムリあったね)
ゲストハウスで朝メシを食ってたらあれあれ、まごさんけんたろくん。別の街を経て1日違いでイスタンブール来た2人と宿が重なったやーい。
2人とも世界一周旅行中。つまり自分と同じ。日本にいるときと変わらないくだらない話をするのが楽しい。当たり前だけど同じ場所でも違う経験をそれぞれしてるんだねぇ。自分が選ばなかった場所の話も興味深い。
この街でやりたかったこと
goproの修理または新品購入
黄熱病の予防接種
iPhoneケースの買い替え
結果この街でできなかったこと
goproの修理または新品購入
黄熱病の予防接種
iPhoneケースの買い替え
……………。
まずgopro修理屋を探し当て辿り着くも匙を投げられる。新品をショッピングモールで見つけるが2000リラ(≒62,000円)。もしかしてグランドバザールに行けば安くあるかもと向かい、電気街に辿り着きそこのある店で修理トライ&新品は1500リラで案内受ける。翌日、修理不可でした今日買うとしたら1800リラだよと。へぇ。おーきに。なんでやねん。二度と来んわ。
iPhoneケースはいいの見つからず。
そして予防接種を受けれるか試してみようと歩いていると1人の男に話しかけられる。その男アリムラス。トルコの首都アンカラに家庭をもち、イスタンブールに出張に来ては夜な夜な女遊びの限りを尽くす歩くバイアグラ。今宵はベリーダンスの席を予約してあるんだとターキッシュコーヒーをご馳走してくれながら話しは続く。病院のスタッフとはトルコ語で話し、翌日9時に来れば注射打てるよう話をまとめてくれた。
(この縁も面白いしベリーダンス見たいしそのくらいならちょっと奮発してもいいかな)
愉快な金持ちジェントルマンの誘いに気を緩ませながらタクシーに乗り着いた店は見た目ただのキャバクラ。2人の女が俺らそれぞれに付く。ビールとワインをちびちび飲みながらいつダンスが始まるのかと待っていたが全くその気配せず。何も特におもしろくもないので1時間ほどで切り上げる。でてきた伝票には3600リラ(≒12万円)の数字が記されていた。女達がガバガバ飲んでいたワインがバカ高くそれも全部計上されている。明らかな違法ボッタクリだ……アリムラスは割り勘にしようと言ってきた。1800リラの支払いを要求され、この場を打開する術も思い付かずクレジットカードを渡す。が、カード見るやいなや「これは使えないから現金で払え。今から一緒にATM行こう。友達の彼(アリムラス)も先にATMへ行った」と言われ店員ののおっさんとATMに向かう。
心臓は案外冷静に働いていた。
こんな法外な金額払う必要全くない。でもどうする。払いたくない。
日本人だよー旅してるんだー。そうなんだー支払い終わったらビール1杯おごるからねー。
と他愛のない話を淡々としながらATMについた。
ATMの目の前に立つ。後ろをそっと見る。おっさんは4,5m後ろで反対側を見ながらタバコを吸っていた。
自分でも驚いていた
気が付いたらすでに2歩目がATMの脇の小道の砂利を蹴っていた。
貴重品やらが入ったよれよれのトートバッグをくしゃくしゃに握りしめ全速力で走った。
走り始めてすぐ何かの敷地に侵入してしまい「オイッ‼︎‼︎」と敷地にいた人に怒鳴られる。
ヤバっと思ったが柵を飛び越え彼らの死角へ猛ダッシュする。
追いかけて来る姿はない。幹線道路沿いの小さな公園の遊具の影に隠れる。足はパンパン汗はダラダラ心臓はバクバクの状態で脳みそをフル回転させる。
(道へ出てタクシー捕まえるべきか近くの駅まで行っちゃうかここで数時間やり過ごすべきかいやなるべく早く遠くまで行くべきだ電車を使おう駅で待ち伏せしてたらどうする行くなら今だ)
走りながら脳内にプリズンブレイクが再生される。
なんとか駅に着くと改札内にトイレを見つけ個室にすかさず飛び込んだ。
ここで1時間もやり過ごせばバッタリ出くわすことはないだろう
息を頭を整える。
アリムラスには悪い事したな、おそらく彼が全額支払うことになっているだろう。となると店の人間ではなくアリムラスが激怒していて彼が俺を探しているにちがいない。ただ彼は出張できてて明日は会議やらで忙しいと言ってたからまぁ大丈夫だろう。ベリーダンスなんてないしキャバクラじゃねぇかあんなの。そういえばいつの間にかいなくなってたな。や、まてよなんで彼もATM行ったんだ?トルコ在住のトルコ人でカード3枚も持ってて使えないわけないじゃんか。もしかして…………グル?だとしたら彼だけじゃなく店の人間も探しに来る可能性あるじゃんか。っていうかグルだとしたら出張も会議も全部設定?観光客をあの店に誘導するのがあいつの生業?だとしたらマズイ。翌朝9時病院の件も電気街にカメラを預けてる話も宿のあるエリアも全部しゃべっちゃってる。えっあれ、もし全員グルだったら警察に届けられる?無銭飲食で逃げて罪に問われるのはむしろ俺?いや明らかにあいつらはアウトだから彼らも警察沙汰にはできないだろう。しかし可能性はゼロではない。警察も腐敗していて連携とってるかもしれない。宿に警察来たりして。国境で止められたりして……いやまさかな。
無事宿に戻る。
次の日の朝、他の人から別の日本人が同じ手口で同じ晩に40万円とられた話を聞き仰天。
ネット検索すると同様の被害話が出るわ出るわ。まったく気が付かなかった。
結局病院はあきらめたもののその次の日は普通に街を歩いて、とくに何も起きず無事出国もできたわけだけど、選んじゃいけない行動をしてしまったと痛感。逃げ切れて笑い話になったからまだいいものの、もし捕まってたら殴られ金をむしり取られるだけでは済まなかったかもしれない。家族や友人に迷惑や心配をかけることになってたかもしれない。軽率な判断をしたと猛省してます。
未だかつてないスクランブルな体験を胸に。
何事もなかったかのように、今日もイスラムの祈りの歌が大音量でイスタンブールに響き渡る。