2つ目の仕事
世界一周をしていれば、3日後に全く違うコトバが街中に飛び交ってるなんてことがよくあった。
どんな国だって多かれ少なかれ英語という世界共通言語を話す人はいるし、なんなら日本語だけでも旅くらいはなんとでもなる。だけど挨拶やありがとうだけでもその国のコトバを覚えて話せたほうが旅は格段に楽しい。相手が楽しくなってくれるからね。日本に来た外国人観光客がたどたどしい日本語で話しかけてきたら、そりゃあ嬉しくなる。
それってココ五島でも通ずるなぁ、と
この島に限った話でもないけど、五島で生まれ育った色んな人達とよろしくやってくには五島弁を活用してかにゃあ。まだまだ全然慣れてないから覚えてかないと。そのほうが楽しいじゃんかね。
ヨソからきた者としてね、郷に入っては郷に従えっつってね
羨望の眼差しを受けいただきづらいメロン
ファーム仕事の傍ら、学童のお手伝いをちょっとはじめた。
仕事内容は子どもたちと遊ぶこと。
島に来て、学童で自分が働くなんてまったく予想だにしてなかったけど、なんとなく直感が働いたというか、うーん
そこのボスとの繋がりは結構面白そうだなぁって思ってあれよあれよと、という感じ。そういう打算も少しあるけど、それよりも本当になんとなく勝手に心が動いたような、後先考えず…あれもしかしてただ自分が断れない人間なだけか?まぁ一理ある。けどどんな経験も絶対なんかの役に立つこれは間違いないかんね。ウン。
15〜20人くらいとあって、最初はやっぱ少し緊張したなぁ
学校の先生でもないし親でもない自分は、どうあるべきなんだろう
ひとりの子としてじゃなくて、ひとりの人間としてできるだけ対等に接しよう
そんな事を考えながら少しずつ輪に溶け込もうとするんだけど、これがなかなか難しい。
すぐに甘えてくる子、やたら好戦的な子、口の悪い子、泣き虫な子、リーダー格の子…まるで全頭放し飼いのジュラシックパークだ。
そこには子どもながらに社会ができていて
トラブルが起きた時、大人が割って入って解決に導くのは容易いことだけど、できるだけ子どもたちだけで解決させてあげたいと思うなー
小さいながらも色んな事を考えていて、大人を観察していて、それを見ているのが面白い。だから「次そっち行くから待っててね」とか言っておきながら、ないがしろにするとたちまち"約束の守らない信用ならんオジサン"になるからテキトーにあしらっていられない。でも「泣いて男は強くなんだよ」とかやっぱテキトーなコト言っちゃう。漫画って偉大だよね
わしもまだ子どもだから仲間に入れておくれや
畑仕事して、子どもの遊び相手をしてたらいつの間にか引っ越しの日が近づいてきた。
島の権力者のコネで家電を安く仕入れ、2ヶ月住んでた短期滞在住宅の清掃手配も行い、市役所の方に手続きの連絡をとり
さーて準備も万端だ。引越し当日は忙しくなるぞ。電力会社にも電話しなきゃな。
お。友達からテントサウナのお誘いだ。いいねぇ
海辺でテント張って汗だくになったらそのまま目の前の海にザブーン。最高だな
よーし引っ越し前日だけどはしゃぐかぁ
キキーッ 車到着〜ここか
ケータイを短パンのポケットに入れて
梅雨中だけど雨じゃなくてよかったねぇなんなら晴れ間も覗いてるねぇ
だけど強風だなぁテントが吹き飛ばされそうだ
石かなにかを重しにしようか
石だったら浅瀬の底にゴロゴロしてるぞ
よっしゃ取ったろかい ザブーン
…ん?ポケットがなんか重いな。
あ…
あぁ