57ヵ国目 アメリカ~地球散歩~
ジャマイカからNYに飛んできた時点で自分の中での
旅感はほぼゼロに等しく
その感覚は正しくNYの街を歩いても自分のようなバックパッカーは全く見なかった
それでもメトロの出口から出た瞬間はテンションあがったなぁー
うおーアメリカの国旗がたくさん!
アメリカっぽい!!
みたいな
アメリカ人は国旗に誇りを持ってるんだってみんな言う
ドラマや映画で馴染みがあるぶん、見たことある景色に心動いたよね
そんなわけでNY在住のいちきょー、なおき
そしてボストン近郊在住のおすぎの
3人の友だちに
まぁ会ってきたというか
お世話になりまくったというか
ごちそうしてもらっちゃったというか
豪邸みたいな家に泊めさせてもらって
まじで感謝、ほんとありがとう
NYの銀座みたいなとこに住む中高一緒のいちきょーに会うなんて信じらんなかったし、あのなおきとマンハッタン内の大学の体育館で再びボール蹴ると思わなかったし、まぁまぁ波瀾万丈なおすぎが優しいダンナさんと結婚してて嬉しかった
本当会えればそれだけでいいってスタンスで行ったのにめちゃめちゃしっかりいちきょーと観光しまくった
タイムズスクエアやらブルックリン地区
フェリーからの自由の女神やら3.11のメモリアル跡地
なかでも印象的だったのがオフブロードウェイで観た酔っ払ったシェイクスピアね
小さめなハコで観たその劇はとにかくブッ飛んでて、実際に劇中に演者が酒をがぶがぶお客さんにもぐびぐび禁止ワードが飛び交いまくりのクレイジーな台本無視のアドリブ祭り
と思わせるような
本当に泥酔してるかのような(酒は本物)演技はお客さん全員を巻き込んでてその一体感が本当に楽しかった
言ってることは8割理解できなかったけどね
これぞアメリカってゆう体験はベリーグッドだった
あとコニーアイランドね、あそこは楽しかったなぁ〜
なんだかチープなレトロ感のある遊園地のアメリカ感は歩くだけでテンション上がるし、その向かい側にはすぐビーチが広がるってゆうロケーションの最高加減!
美味しいアイスからホットドッグ、ハンバーガーからロブスターロール
なにからなにまで至れり尽くせり
極めつけはいちきょーのダンナさんと3人で行った有名ステーキ店
この滞在期間間違いなくこの2年間の旅で一番贅沢させていただきました
この御恩いつか必ずどこかで!
アメリカ人との荒め熱めのフットサルにはなおきに誘ってもらって
動けたかとか活躍したかとかそんな質問は愚かだよ
そのままこりゃまた立派ななおき宅でなおきの愉快な仲間たちと飲み
金と時間の使い方が真逆とも言っていい人達との交流がまた新鮮で
そんな事よりなおきの奥さんの料理の腕が半端なかった
俺のことは最後まで"知らない人"だったけども
サッカーして飲んで酔って寝て翌朝すぐバスでごめんなおき、キューバ土産渡すの忘れたわ
写真も全然撮ってねぇし
ごちそうさまでしたありがとう
日本でまたな
飲み明けの脱力感
そして二日酔いでボストンへ
1日だけしか時間とれなくなっちゃったけど、おすぎの笑顔が見れて満足や
死ぬほど可愛いマックだっけ名前?ネコいたし
ダンナさんのティムはめちゃめちゃいい人オーラ出てるし、ティムにも10000カロリーぐらいありそうなアメリカンな朝食トライさせてくれて
死ぬほどいい思いしました皆さんのおかげで
どうもありがとう
怒涛の5日間を越えて向かったはテキサス州ダラス
ベティナが空港に迎えに来てくれてそこから2週間のワークアウェイがはじまりはじまり
ワークアウェイてのはホストファミリーの家の手伝いや仕事の手伝いなんかをする代わりに寝るとこやメシを無償で提供してくれるよっていうやつなんだけど
今回お世話になったベティナ
彼女のファームで動物たちの世話をするのが主な仕事
この2週間が本当に素晴らしかった
優雅でのどかな田舎で動物たちに囲まれた環境は、NY3日目にふとした瞬間に感じた都会の中に自分がいることの息苦しさがどこにもなく、朝早く起きて夜は21時まで明るいのに1日1日がとてつもなく早かった
朝起きてまずやること
目が悪くなってきた犬ジャックと、ちょっと行儀の悪い大型犬バックの水と餌やり
ジャック専用の餌にかける液が冷蔵庫にあるからそれを忘れないように
2頭の馬マウスとウィスキー、それに4頭の♂ヤギの水補充、♀ヤギと仔ヤギの方も合わせて確認
それが終わったらミルクルームへ行き、ヤギ赤ちゃんトリオのためのミルクを500mlペットボトルに半分ちょいくらい注いでレンジで温める
キャップを外し注ぎ口から肌に当てた時に、冷たくも温かくもない"なにも感じない"温度がベスト
それを用意し反対側エリアへ向かう
近づいてくとアヒルとニワトリ達が騒ぎ出すので、扉を開けてあげる。するとアヒル達は一斉に飛び出し水飲み場へ一直線。水飲み場の水は前日の夜のうちに変えておこう
空っぽになった鳥小屋に入り、生みたての卵を失敬する。水で大まかに洗って乾かしてから、直売小屋の冷蔵庫に入れる
さっきからメェメェ甲高いかわいい声を赤ちゃんトリオが連発してるけど、すぐミルク飲ませて寝床から出してやるか後にするかは状況次第。なんせ出してあげた際には常に追いかけてくるし、それが可愛すぎてつい構ってしまって仕事がどんどん終わるのが遅くなってしまう恐れがあるからね
アヒルとニワトリとヤギの餌は同じ(ヤギは基本草食べるんだけどヤギも好きで食べてる)なんだけど、餌入れに投入した途端に争奪戦がはじまる
といっても力の序列は決まってて、
3羽いる七面鳥みたいなやつ>ニワトリ>アヒルとなってる。ヤギは気にせずってかんじ
強いヤツはなんの前触れもなく弱者追いかけつつくそれはまさにストレス発散目的の弱いものいじめ
仕事に慣れてからは立場の弱いアヒルに他の鳥にバレないようこっそり餌をばら撒いたりちょくちょくしてた
一番大きいガキ大将みたいないじめっ子のニワトリはついこないだ、ベティナのライフパートナーのクリフによってライフルで首元を撃ち抜かれてた
やることがいちいちアメリカン
その後はウサギたちの元へ
ウサギは夜たくさん食うので夜のうちにたくさん餌を補充してあげることが大事。そしてすべての動物たちに言えるのが、餌がなくなるよりも水がなくなることのほうが命に直結するということ。水がチューブからしっかり出てるかの確認は、毎朝欠かしてはならない
その後は戻って白ヤギママを餌で誘導し、頭と後ろ足を固定して乳搾り。ちゃんと清潔にして怖がらせないように自身を持ってすると、ヤギママも落ち着いてくる。不安って伝わるんだよね、乗馬のそれと同じ。
その時に2頭のベイビーをもつ黒ヤギママにも餌を与えて公平さを保つこと。特にこの黒ママがアグレッシブな性格だからさ、喧嘩の火種を作らないであげよう
そしたら次はチャリにまたがり5分、別の敷地へ
40頭ぐらいのヤギと2匹のヤギの警備役の犬イェッティとベンデットがいる
しっかり水を確認してから犬に餌を与えるんだけどこいつらがどーも食ったり食わなかったり
一日1回だけの食事で腹減ってるはずなのにムラがあるのは、そのへんの小動物を狩ってるからなのか
しばらく待っても食わなきゃ下げて、それで死ぬならそれが彼らのライフ。干渉しすぎる必要はないというベティナとクリフのスタンスが最初はちょっとだけ複雑だった
あと大事なのはヤギが下痢してないか地面やケツ付近を注意深く観察すること
下痢は死に直結する
多くを語らない彼らの少ないサインを見逃したら最後、悲しい結末が待っている
実際に異常に気付くも2,3ヶ月捕まえることができてない1頭のヤギがいた。ある日そいつがついに群れから置いてきぼりにされ座り込んでたので、ベティナと挟み撃ちにしてようやく捕まえることができ、薬を飲ませ安静にさせる日が3,4日続いた次の日、目や口周り、尻付近をアリとハエが群がりどんなに揺すってももう動かなくなってた
2時間かけてみんなを見てまわったのち、自分の朝食を摂る、これが朝のルーティン
朝と昼は基本的に自分でテキトーに食べ、夕食はベティナが作ってくれる。最初の晩にこんなリブが豪快に出てきた時は、これがテキサスか!と驚いたもんだ
ジャガイモもブロッコリーも豪快
これが毎日これから出てくるのか!?と思ったけどそんなことはなく、でも出てくる料理すべてが本当に美味しくて美味しくて
実際にNYやボストンではそんなに太ってる人はたくさん見なかったけど、テキサスの方は食べる量がエグいためみーんな太ってるんだとか
あとは位置上の理由でメキシコ人がかなり多く、家でも外食でもタコスを何回も食べたのが予想外。めちゃうまかったけど
朝のルーティンとほぼ同じ事を昼14時と夜20時にも
それ以外の時間は毎日様々なミッションが与えられた
キャンパーの外壁磨きからワックスがけ
そうそうこれが俺の寝床
テンションあがるでしょこんなん
仔ヤギが隣の馬エリアにちょくちょく侵入してるのを見て、フェンスの穴や隙間を針金で補修したり
動物エリア内の枯れ枝、幹を撤去したり
買い物の手伝いなどなどさまざま
トラクターで草刈りなんかもやったな
畑もあって丁度オクラやトマト、にんにくの収穫時期でそれも手伝ったり
傷んだ野菜とか食べ終えたバナナの皮とかリンゴをウサギにあげると喜んで食べ競ってたな
甘く実った庭のイチジクは採り放題状態
自由時間はしょっちゅう動物たちと触れ合ってた
ヤギや馬をブラッシングしてあげたり
馬にタカって血吸うハエやアブが憎たらしくて憎たらしくて
昼の暑い時間にアヒルにホースで水シャワーかけると気持ち良さそうに動きを止めて水浴びまくるし
可愛さでいったら赤ちゃんヤギトリオがダントツ
元々はそういうわけじゃないんだけど、その子らを産んだママヤギからミルクがうまく出てこなかったらしく、代わりにしてあげてるんだって
乳搾りをしてあげてる白ママは逆に子を死なせてしまったけどミルクは作られ続けるから出してあげないといけないんだって
頭部が白模様の茶色の子は一番運動神経がよくて、よく背中を登ってくる
茶色の子は一番マイペースで天然
ちょっとそっぽ向いたと思ったら全力で甘えてきたりまたどっか行ったり
黒い子は一番の甘えん坊
お腹空いてない時もいつでも俺の耳たぶを吸うのが大好き
最初はなんだコイツ!?って距離感だったけどだんだん俺に慣れてきて懐いてきて
単にメシくれる人間とかブラシで痒いとこかいてくれる人間って思ってるヤツもいると思うけど(3羽のチビニワトリトリオとか)日に日にコミュニケーションとれてる気がしてたのが気持ちよくて嬉しかった
ベティナとクリフは色んなアメリカンなテキサス体験をさせてくれた
7/4の独立記念日には公園に花火を見に行ったり
ヒヨコやウサギからライフルまで売ってるただのホームセンターに行ったり
テキサスのカントリーミュージックにのせたダンス教室でのダンスレッスン
ウィスキーにも3回くらい乗っけてくれた
「てっぺいは優しすぎる。ウィスキーに対してもっとボスにならなきゃいけない。自信をもって命令し導いてやらないと、不安は馬に伝わってしまうんだ」
いろんな場面で通じることだよなぁ
意思疎通ができて自在にコントロールできるようになった時は嬉しかったな
すげー迫力だったカウボーイのロデオショー
古き良きアメリカの伝統、これぞテキサスってかんじ!革靴にジーンズ、チェックのロングシャツをインして頭にはカウボーイハットが暴れ牛や馬に跨ったり投げ縄で捉えたり最高にクールだった
カーティスっておっちゃんに2回日曜午前にカウボーイチャーチに連れてってもらったんだけど、教会なのにフリードリンクやフリードーナツが振る舞われステージではバンド演奏があり、今まで訪れた教会とは全く違う慣習があった
色んな人と挨拶してみんなフレンドリーで
カーティスに連れてってもらったテキサスバーベキューやフィッシュタコスはどれも抜群
クリフの息子JBが家族を連れて遊びに来たときはランチの後にライアーズダイスってゲームをして盛り上がったっけ
息子と娘、パーカー君とステラちゃんもいい子達で日本大好きって言ってた。日本に遊びに来たときはぜひ案内してあげたいな
JB and The Moonshine Bandってぜひ音楽アプリやYouTubeで検索してみてほしい
JBはテキサスではかなり有名なアーティストでアメリカンカントリーミュージックが好きな人はぜひ!かっけぇから
記さずにはいられないのがベティナフレンドのファーム内で撃たせてもらった銃体験
ほんまモンのライフルとショットガン、ハンドガンを実弾で
このドイツの子もこのファームでのワークアウェイ
最初、的を外したら牛に当たるってとこに的を置いておいおいマジかってなったけどアレはアメリカンジョークでよかったんだよね?
本物なのにどうしてもエアガンとか偽物に見えちゃう。ゲームや映画の世界がここじゃふつう。
鳥用、鹿用、猪用、自衛用みたいに用途によって銃を使い分けるっつって20丁ぐらいもってて
クリフは金庫を開けて色々見せてくれた。中にはWW2で使われたビンテージものまで
色々聞いて話したけどみんな持ってるから自分も持つの当たり前で自分の身は自分で守るって意識が相当強いと感じたな
クリフは家具屋を経営してるしベティナも20棟以上の物件を転がしてる超やり手だけど当然ファームもビジネスとしてやってて
ヤギは体調に気遣って薬治療したりしてるけど例えばウサギには異常があっても特になにもしない
元に俺のいた2週間で2羽息絶えた。2羽目なんか最終日最後に全動物たちにさよなら言って回ってる時に、普段赤い目が白くなって横たわってたからね
なにもしない理由はヤギと違い市場価値が低いから
ある日クリフは太陽が隠れる前に10羽頃合いのウサギを殺して捌いた。フック状の鉄に頭を引っ掛け後ろ足を持って思いっきり引っ張って首の骨を折る
愛でて世話をしてた彼らの、骨が折れた瞬間目がガッと見開く光景は当分忘れられそうにない
いつかはママヤギも馬のウィスキーも食用に捌かれるか売り飛ばされる日が必ず来る
しゃがんでじっとしてるアヒルを退けて、まさにその時温めてた卵を回収する時は心が痛んだ
動物が好きなだけでできる仕事じゃないし、普段肉を食べる人にそれを否定はできない
毎日毎日濃くあっという間に過ぎ去った2週間だった
今後の人生になんらかの影響を与えそうなそんな気がする
動物たちと別れるのが寂しくてしょうがなかったし、最高の体験をさせてくれたベティナとクリフには感謝しかない、ほんとに
2人も、今まででベストワーカーだし早くまた戻ってきてほしいって言ってくれたし、それは偽りのない言葉だと思う
アメリカ、ほんと人に感謝しかしてねぇ!!
そのあとグランドキャニオンにせっかく出し行っとこうと思ってラスベガスに飛んだんだけど
ラスベガス→サンフランシスコ行きのバスがシステムエラーで予約できず、やっとこさできた時にはすでにグランドキャニオン行きのツアー申し込み時間切れ
結局ラスベガスのカジノに一日中いて
イメージ的にドレスコードとか心配してたけど
(なおき達と外で食うとき海鮮の店予約してくれてそしたらそこがドレスコードあって、Tシャツ短パンビーサンしか持ち合わせてないから予約取り消してもらったっていう失態を書いてて思い出した)
みんなどこ行くもラフな格好だから入れてよかった
カジノいくら稼いだかとかっていう質問するのは愚かだよ
ほんでサンフランシスコ着いて空港直行して
日本帰ってきて
なんだか心にぽっかり穴が空いたような
体がふわーっとする
本当に世界一周したんだっけかー
ぼーっと道頓堀川眺めながら
可愛すぎる動物たちを振り返りながら
地球散歩最後の国について書き記しました