35ヶ国目 アルゼンチン~地球散歩~
一時帰国?いや旅終了?どっかで働く?親に泣きつく?
自分は最高にラッキーマンで、本当にこの程度でよかったと
すぐには思えないやっぱり沈む凹む。
シズゼンチン。ヘコゼンチン。
世知辛い国、セチゼンチン。
パラグアイから国境を越えアルゼンチン側から、イグアスの滝を拝む
いつものおじさんと、しんさんっていう数日前から一緒の、新しいおじさんと。
滝はアイスランドなんかでたくさん見てきて、アレを越えるのはなかなかないんじゃないかと思ってたけど、さすが世界三大瀑布なだけあるね。スケールのでかさに圧倒。
アルゼンチンは全てにおいて物価が高く、自炊が常。アルゼンチン米?で作って意気揚々と持ってった塩むすびは、食べるころにはパラッパラに崩れ散り、間違えて持ってきた生卵とバターが潰れて溶けて袋がぐちゃぐちゃ。セチゼンチン。
一度物価の安いパラグアイに戻って、できるだけ安いバスに乗ってブエノスアイレスを目指そうとした俺としんさん、パラグアイとアルゼンチンの南側の国境からヒッチハイクで南下するせいじおじさん。南側の国境まではまだみんな一緒のはずなのに少し別行動をとっただけではぐれるおじさん3人衆。
せいちゃんのヒッチハイクは難を極め(セチゼンチン)、結局前日にブエノスアイレス入りをした俺と合流。しんさんとはそのまま別行動となり、終わったと思ったおじさん2人旅がすぐにまた始まった。景気付けのゼンチンビーフ。格別。
たまにオーストラリアや日本にいる友達から電話がかかってくるんだけど、やっぱり嬉しい。地球の反対側なのにタダでテレビ電話できるなんてほんと世も末である。誰かと飲んでる時とか電話大歓迎だよーーーい
バスターミナルで野宿した次の日から始まった、アルゼンチン中部バリローチェから南部パタゴニアはエルカラファテまで1300キロヒッチハイク旅。お世話になった人ランキングはこちら。
1位タイ(14人)
これから?空港で仕事よ ダニエルさん
近くの町まで ジュニオールじいさん
ルート40はこっちだ! ×▲○#! ダニエルじいさん
困ったら俺ん家こいよ セバスチャン
2人でキャンピングカー老夫婦素敵すぎ アルベルト夫妻
ヒゲがゲイくさい セビオさん
長距離トラック界の重鎮 ハワードじじい
竹原ピストルでボリュームUP アルトゥロさん
ATMボックスで寝ようといた俺らをトレーラーハウスに呼んでくれたATM管理会社のおっさん
なんでおまえら夜中にあんなとこいるんだ! ファビアーノ
ハポネス?おおーん ルイスさん
ああもうしょうがねぇ乗れ! バーテルさん
アルパカとリャマとグアナゴのちがい?もこもこかどうかじゃねぇか JP
見ず知らずのアジアンを乗せてくれる人なんてだいたいクレイジーで、楽しいやつ。優しさとおもしろさに触れまくった。
キンキンの清流流れる川に素っ裸になって入り体を洗い
物価の高さにピーピーキャーキャー言いながらじじいのバーベキューのおこぼれを狙い
俺らの分まで買ってきてくれた菓子パン
その場を諦めひたすら歩き続けたヒッチハイカーをウォーキングデッドと呼び
病院にて注射を手首付近に打ち普通に間違え「ボンッ!」と言い立ち去る謎の新米看護師
道中、相棒せいじくんはのどかな田舎町に2日間胃腸炎で入院した。
腹を下すぐらいはもはや平常運転の彼だったが今回は違ったようだ。なんでも1人でできるプライドをもった2年近く旅してる彼に、ヘルプする度合い、距離感や、同い年の旅歴の遥かに浅い者としてかける言葉が難しかったのを覚えてる。
点滴のみで丸2日飲食を禁じられたおじさんの保険にあやかり、病室のベッドで寝て、シャワーも浴びやりたい放題。食事まで1回ついて、空腹と痛みに悶えてる横で食べるのはさすがに気が引けたのを覚えてる。
公園を散歩してたらサッカー少年たちと出会って少しリフティング。
リーベルプレートとボカ(アルゼンチンの2強)、どっちのチームが好き?と聞かれ「ボカ!」と答えたら満場一致だったようで、ハイタッチを繰り返した。
総じてやっぱりおもしろかった。
1人でやるヒッチハイクと2人でやるのとはやっぱ違うね
2人だとどうしてもふざけちゃう。踊ったり追いかけたり叫んだり。まじめにやるより止まってくれる確率がもしかしたら下がるのかもわかんないけど、こっちのほうがやってて楽しいしドライバーが笑ったりジェスチャーしてきたり、何かしらリアクションをとってくれることが多かった。その一瞬のやりとりが楽しくてもはや笑わせるためにやってるような気がしてた。
1人のほうが冒険感増すし達成感もひとしおだと思うけど、そういった
酸いも甘いも共有できる他人がいるってのもまたやっぱりいいもんだ
おもしろいやつと一緒に居ておもしろいのはそりゃ当たり前だわな
寒くなるからか、アルゼンチン南部はどの街にも飼われてんだかわかんないほどの毛並みのいい大型犬があちこちにいて、総じてかわいい。めちゃくちゃかわいい。大きい犬飼いたいけどマンションだから無理よーなんていう方、ぜひアルゼンチン南部にお越しください。
パタゴニアはエルチャルテン
アウトドアブランド「パタゴニア」のロゴの山が実際にあるところ、その麓の街に夜着いて張ったテントは猛烈な強風にさらされた。中国製のちんちくりんテントはギリギリのところで持ち堪え、どしゃ降りになる1歩手前でレストランに避難した俺らの判断はニジュウマル。
3日後天気が良くなるのを期待して先にエルカラファテという街に行った先にあった
氷河
日差しに照らされ溶けた亀裂から時たまに崩れ落ちる氷河の塊は想像以上の期待以上
そしてエルチャルテンに戻り1泊2日のトレッキングの果てに目にしたもの
朝焼けに染まるパタゴニアの山、フィッツロイ
変わりやすい山の天気、太陽側と山側がどっちも雲がない条件ではじめて見られるこのカッコイイ姿を1発目で拝めた時、自分たちが晴れおじさんで運を持っている男だと確信した。
最高のトレッキングを終え自分たちのこれまでの旅路そして絶景に大いなる満足感を抱え、アルゼンチンを抜けようとした矢先、それに気付いた。
俺のクレジットカードとキャッシュカードがない
しまい忘れ?盗難?旅終了?帰国?まさか自分がこんなことに…
この国はそうだ、忘れてた。
アルゼンチンまたの名を、
セチゼンチン