てぶろぐ ~地球散歩~

6年間のホテルマン人生の先に https://www.instagram.com/tepapepe

29ヶ国目 タンザニア~地球散歩~

セネガルポーランド、そしてコロンビア
まるで前回と同じような顔ぶれ。日本が楽して勝てる相手なんて1チームもない。

 

 


来年6月の開幕まで残り6ヶ月。観戦チケットはすでに軒並み完売しているとかしてないとか。

 

 


そんなことは関係ない、観戦ではなく参戦する。いつ召集されてもいいようにしっかりいい準備ができる、最高の環境がここタンザニアの北部モシの街にあった。

 

 

 


4泊5日のキリマンジャロ登頂強化合宿を消化した翌日、Railway Football Clubの紅白戦に右サイドバックとしてフル出場した。

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川畑サッカーダイジェスト
総評:3
疲労困憊、満身創痍、ピッチ上ではそんな言い訳誰も耳を貸さない。あと1歩出れば追いつく、あと1ステップあれば届く、そんな脳内イメージとは裏腹に足が棒とはまさにこの事。デコボコなうえ土埃が容赦ないグランドで、ファーストタッチで足元にボールを収め、そして正確に蹴る技術。取られた後にすぐ取り返しに行くダッシュの伸び。アフリカの大地で育つ彼らに手も足も出なかった。

 

 

 


彼らのなかに、楔となる縦パスを入れる時に「I love you!!」と毎回言って蹴る奴がいた。へ〜かわいいなんて思ったが、昔どっかの誰かも同じようなこと言ってたような気がした。誰だっけなぁ。

 

 

 

 

 

日焼けで顔はボロボロ、スニーカーもボロボロ、筋肉ぐちゃぐちゃ。日が暮れるまで続いた紅白戦は、体感時間3時間ぐらいに感じたが、笛が鳴りふと空を見上げると、キリマンジャロが美しく月明かりに照らされていた。

 

 

 

 

 


……あそこまで登ってたのか


アフリカ大陸最高峰、標高5895m。2日目で富士山の頂に到達し、1日1000m登っていく。

 

 

ヨルダンの湖で出会い、エジプトの海を潜り、エチオピアの大地を巡り、ケニアの動物を共に追いかけたバディとの最後のミッションは、想像を絶するほど過酷で、感動的なものだった。

 

 

 

 


小雨季と分類される時期にも関わらず、一度も登山中に降ることなく最高の天気だったのは皆さんご承知の通り。信じればsunnyですから。むしろ山小屋に着いてザッと降ったあと見た、雨雲と白い雲のあいだから覗かせた夕暮れは、見たこともない空だった。

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用を足しに寝袋から出た午前4時、見上げた星空は言うまでもなく人生ベスト3に入る。

 

 

 

カメレオンも猿も見かけたジャングルも2日目早々には抜け、動物はかっこいいカラスとシマリスの模様をしたネズミくらいしか見かけなくなった。彼らもヒトの食べ残しが手に入らなければたちまち姿を消すのだろう。それほどの環境。

 

 


空気が薄いのを肌で感じる。少し歩くだけで脈が早くなる。

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バディ、高山病にかかる。
吐き気を常に催し、飯も食えず夜も寝れずに日中山を登るのは見るに耐えられないほどだった。リーダーのジャクソンをはじめガイドのジェフレイ、お世話役のマンチャンなどの献身的なサポートがなければ途中で2人とも諦めていたに違いない。

 

 

 


疲労色濃い2人がKIBO HAT(4873m)に到達したのは午後4時ごろ。少しのフルーツしか寄せつけないバディの側でパスタに強引にかじりつき、仮眠から起きて夜12時。ついに山頂アタックがはじまった。

 

 

すでにバッキバキの太ももと尻筋に鞭打ちながら必死に歩く。昨日まで楽しんでいた「ポレポレ」(ゆっくりゆっくり、という意)の言葉も最終アタック中は残虐な響きに聞こえる。息つく暇なくアフリカを南下してきた体は悲鳴をあげきっていた。足がもつれ何度も体勢を崩し、目を閉じると立ったまま寝そうになる度に何度もジェフレイに助けられた。

 

 

 


6時間経過。
辺りが明るくなってきたのを感じ後ろを振り返る。燃えるような真っ赤からオレンジ、紫やピンクに移りゆく朝日と照らされる自分たち。頂上で見ることはできなかったけど、写真撮る余裕も感想をこぼす余裕もなかったけど、今までで一番綺麗なサンライズだった。

 

 

 

アイスランドのオーロラのように、2度と忘れないだろう景色。

 

 

 

しかしそうも浸ってられない。死に物狂いで最終目的地UHULU PEAK(5895m)に到達した時はすでに9時間近く経過していた。

 

 

抱き合い達成感に浸るのも束の間、ものの10分足らずで下山。
酸素が薄いため長居は危険とのことだった。凍らないようにタオルでぐるぐるに巻いておいたカメラで最低限撮ったのち、言うこと聞かない体に強制再起動を命じる。

 

 

高い金出したけど、決断してよかった。
登ってよかった。登りきれてよかった。

 

そんなチャンスこんな機会二度とない、が世界旅行中にはたくさんある。


何を選び誰に引き寄せられるか。旅はみちづれとはよく言ったもんです。

 

 

 


宿の奴らとやったヤニブ(トランプゲーム)を9時間くらいやって1,600円負けたり、嘘みたいな青い池で現地人とターザンやったり、バディとの最後にふさわしいいろいろ詰まった国、タンザニア

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長いようであっという間だった1ヶ月、ありがとう!

 

 


またいつかどっかでな!