tepapepe’s blog ~地球散歩~

6年間のホテルマン人生の先に https://www.instagram.com/tepapepe

9ヶ国目 トルコ~地球散歩~

フェリーでカスピ海を越えてから電卓を出す機会がなくなった。それまでのモンゴルや中央アジアでは「いくら?」を現地語で伝え、でも数字がわからないからポケットからサッと電卓を取り出して打ってもらう方法をとってた。他の旅行者はもっとうまい方法をとってたのかもわからないけど、それが自分にとって最善だと思ってた。iPhoneの電卓を毎回出すの面倒だったからね。でももう、モノ売る人たちのほとんどはロシア語ではなく、数字ぐらいの英語は浸透している。

 

そして天気。同じくカスピ海を越える前は快晴じゃない日なんてなかった程だったのに、たまーに雨が降る日もチラホラ出てきた。これからは天気も考えて行動しなきゃなのかー。まぁでも晴れ男だから大丈夫かー。そんなところでも地球を移動してんだなって感じる。

 

 

 


9ヶ国目トルコ
ひとつ目の街、トラブゾン。いかにもトラブルが起きそうな街でしょ。

 

カウチサーフィンでナイジェリア人の家に転がり込み、街へ繰り出す。ナイジェのモハメドはその日は仕事で帰りが24時だから、玄関の鍵を玄関前のとこに置いとくから勝手に入ってくれと。ありがたやお世話になります。


17時ごろ一旦家に戻ろうとして鍵を見つけ鍵穴に差し込む。

 

 


開かない。鍵が回りきらない。


押しても引いても力込めてもどうあがいても開かない。


かろうじて家の中から漏れてるWi-Fiにつなぎモハメドにメッセージを送る。

 

 

 


「玄関が開かないよ!鍵が回らないんだ」


ハメド「Wow haha......Funnyyy man」

 

 

 

完全に軽視しておる…
諦めて24時まで外でやり過ごそうと一度また外に出るも体力切れで2時間でまた戻りまた試みるも開かない。ふとアパートのお隣さんのインターホンが目に留まる。感じのいい男が出てきたものの彼もまたどうやっても開けられない。


「もしOKなら、家主が戻るまでキミの家にお邪魔できないかい……?」

 

少し彼は戸惑っていたがタイミングよく彼の母親や子供たちが帰ってきて、お母さんがあがんなさいあがんなさい!と歓迎してくれた。

 

 

彼はプラカくん。とにかく笑顔を絶やさない超優しいマン。お腹空いてないかい?コーラがいい?チャイがいい?ブドウあるよ!お菓子どうぞ!眠かったらここに横になっていいよ!日本のアニメが好きなんだ!わずかな英語と身振り手振りだけどおもてなしの気持ちが溢れんばかりに伝わってきた。 

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お母さん含めプラカくんや家族みんなとっても優しい楽しい人たちに本当に救われた。 


結局25時ごろモハメドは帰ってきて別れ際にプラカくん手作りのブレスレットをくれた。

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赤黄緑じゃないやつ

 
ただ玄関が開かなくて立ち往生してただけの見知らぬ人になんでそこまで!大切につけるね!玄関ぶっ壊れててよかったよ!プラカくん宅に泊まりたかったよもはや!


結局ハナで笑ってたモハメドでも開けられず、プラカくん宅から窓を伝い中に入り中からこじ開けてた。

 

翌日隣りのインターホンを押してみたけどプラカくんは残念ながら外出中。お母さんにありがとうを伝え、港町ならではの久々のよくわからん魚を食らいトラブゾンをあとにする。

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ふたつ目の街、ギョレメ。いかにもギョッと大目玉食らいそうでしょ。

 

ここでもカウチサーフィンを使い、ホストの人ととなり町ウチサルのカフェで待ち合わせる、も3時間たっても来ない。連絡も返ってこない。もうええわ。諦めてひとまずギョレメまで向かいたいも交通手段が見つからずヒッチハイクを敢行。

 


30分後ひとりのおっさんが停まってくれたしその晩はそのおっさん宅に泊まった。

 


とまぁむちゃくちゃな展開なんだけど、セミさん(おっさん)はここらの伝統工芸品、キリム生地を使ったバッグなどを扱うビジネスマンでとにかく口を開けばビジネスの話しかしないアツイおっさんなのです。それゆえ街には至る所に彼の友人が店を構えたりしていて色んなところに顔を出してはチャイをごちそうしてくれた。

「トルコでは友人が来たらまずチャイを出すんだ。友人からはもちろん代金なんてとらないんだぜマイフレンド」

彼もまた厚いホスピタリティの持ち主である。

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キリムカーペットの作業場にも行き、カーペットの洗浄作業を体験させてもらった。キルギスでもその地の伝統工芸の工程に触れたり、そうゆう縁があったりして。

 

他にもたまたまその日が月に一度の別の街のアンティーク市場の開催日で、セミさんの掘り出し物探しに付き合ったり、夜はまたまたたまたまやってたお祭りに行き屋台メシを共にした。

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なんとまぁみなさん昨日今日出会ったばっかの人にそこまで尽くせるのだろうか。嬉しい限り。今はたくさんもらう側でいい。旅が終わって、尽くす側になろう。

 

 


セミさんに1日お世話になったあと、ギョレメのゲストハウスに移動する。ここギョレメを拠点としたエリアその名もカッパドキア。世界有数の気球に乗れる地。セミさんの紹介のアキコさんという方から早朝4時半集合気球ツアーを申し込んだ。

 

 

 

 

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圧巻。気持ちよかった〜‼︎‼︎

気球のパワーすげぇし地球の迫力感じた。

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同じ宿のまごさんとけんたろくん。

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熱フーセンとガムフーセン

 

 

アキコさんもとってもいい人で、おすすめレストランや観光スポットのみならずトルコ在住者ならではのトルコ事情をいろいろ教えてくれたのが面白かったな。トルコ人は決して自分の国以外のものは口にしない、とか。時間ある時に何度も訪ねてはその度チャイやらなんやら迎えてくれてありがとうございました!

 

 

 

同じ宿のカナディアン、コールくんと岩石群でできたカッパドキアを縦横無尽に駆け巡る。
2人連結自転車で。白色のこの自転車をジェシカと名付け、時々笑ったり(意:サドルがキュルキュル鳴ること)不機嫌になる(意:チェーンが外れること)そんなジェシカを尻に敷いてコールくんとふざけあったのもいい思い出。カナダ行った時は会いたいもんだ。

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ギョッと驚く光景に遭う気球と岩石の街ギョレメ。また訪れたい街。

 

 

 


3つ目の街、イスタンブール。いかにもスクランブルが起きそうな街でしょ。(ムリあったね)

 

ゲストハウスで朝メシを食ってたらあれあれ、まごさんけんたろくん。別の街を経て1日違いでイスタンブール来た2人と宿が重なったやーい。

 

2人とも世界一周旅行中。つまり自分と同じ。日本にいるときと変わらないくだらない話をするのが楽しい。当たり前だけど同じ場所でも違う経験をそれぞれしてるんだねぇ。自分が選ばなかった場所の話も興味深い。

 

 


この街でやりたかったこと
goproの修理または新品購入
黄熱病の予防接種
iPhoneケースの買い替え

 

 


結果この街でできなかったこと
goproの修理または新品購入
黄熱病の予防接種
iPhoneケースの買い替え

 

……………。

 

まずgopro修理屋を探し当て辿り着くも匙を投げられる。新品をショッピングモールで見つけるが2000リラ(≒62,000円)。もしかしてグランドバザールに行けば安くあるかもと向かい、電気街に辿り着きそこのある店で修理トライ&新品は1500リラで案内受ける。翌日、修理不可でした今日買うとしたら1800リラだよと。へぇ。おーきに。なんでやねん。二度と来んわ。

 

 

iPhoneケースはいいの見つからず。

 

 

そして予防接種を受けれるか試してみようと歩いていると1人の男に話しかけられる。その男アリムラス。トルコの首都アンカラに家庭をもち、イスタンブールに出張に来ては夜な夜な女遊びの限りを尽くす歩くバイアグラ。今宵はベリーダンスの席を予約してあるんだとターキッシュコーヒーをご馳走してくれながら話しは続く。病院のスタッフとはトルコ語で話し、翌日9時に来れば注射打てるよう話をまとめてくれた。

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(この縁も面白いしベリーダンス見たいしそのくらいならちょっと奮発してもいいかな)

 

愉快な金持ちジェントルマンの誘いに気を緩ませながらタクシーに乗り着いた店は見た目ただのキャバクラ。2人の女が俺らそれぞれに付く。ビールとワインをちびちび飲みながらいつダンスが始まるのかと待っていたが全くその気配せず。何も特におもしろくもないので1時間ほどで切り上げる。でてきた伝票には3600リラ(≒12万円)の数字が記されていた。女達がガバガバ飲んでいたワインがバカ高くそれも全部計上されている。明らかな違法ボッタクリだ……アリムラスは割り勘にしようと言ってきた。1800リラの支払いを要求され、この場を打開する術も思い付かずクレジットカードを渡す。が、カード見るやいなや「これは使えないから現金で払え。今から一緒にATM行こう。友達の彼(アリムラス)も先にATMへ行った」と言われ店員ののおっさんとATMに向かう。

 

 

 


心臓は案外冷静に働いていた。
こんな法外な金額払う必要全くない。でもどうする。払いたくない。

 

 

 


日本人だよー旅してるんだー。そうなんだー支払い終わったらビール1杯おごるからねー。
と他愛のない話を淡々としながらATMについた。

 

 

 

 

ATMの目の前に立つ。後ろをそっと見る。おっさんは4,5m後ろで反対側を見ながらタバコを吸っていた。

 

 

 

 

 

自分でも驚いていた

 

気が付いたらすでに2歩目がATMの脇の小道の砂利を蹴っていた。

 

 

 

 

 

貴重品やらが入ったよれよれのトートバッグをくしゃくしゃに握りしめ全速力で走った。

 

 

 

 

走り始めてすぐ何かの敷地に侵入してしまい「オイッ‼︎‼︎」と敷地にいた人に怒鳴られる。
ヤバっと思ったが柵を飛び越え彼らの死角へ猛ダッシュする。

 

 

 


追いかけて来る姿はない。幹線道路沿いの小さな公園の遊具の影に隠れる。足はパンパン汗はダラダラ心臓はバクバクの状態で脳みそをフル回転させる。

 

(道へ出てタクシー捕まえるべきか近くの駅まで行っちゃうかここで数時間やり過ごすべきかいやなるべく早く遠くまで行くべきだ電車を使おう駅で待ち伏せしてたらどうする行くなら今だ)

 

走りながら脳内にプリズンブレイクが再生される。

 

 

なんとか駅に着くと改札内にトイレを見つけ個室にすかさず飛び込んだ。

 


ここで1時間もやり過ごせばバッタリ出くわすことはないだろう

 

 

 


息を頭を整える。

 

 

アリムラスには悪い事したな、おそらく彼が全額支払うことになっているだろう。となると店の人間ではなくアリムラスが激怒していて彼が俺を探しているにちがいない。ただ彼は出張できてて明日は会議やらで忙しいと言ってたからまぁ大丈夫だろう。ベリーダンスなんてないしキャバクラじゃねぇかあんなの。そういえばいつの間にかいなくなってたな。や、まてよなんで彼もATM行ったんだ?トルコ在住のトルコ人でカード3枚も持ってて使えないわけないじゃんか。もしかして…………グル?だとしたら彼だけじゃなく店の人間も探しに来る可能性あるじゃんか。っていうかグルだとしたら出張も会議も全部設定?観光客をあの店に誘導するのがあいつの生業?だとしたらマズイ。翌朝9時病院の件も電気街にカメラを預けてる話も宿のあるエリアも全部しゃべっちゃってる。えっあれ、もし全員グルだったら警察に届けられる?無銭飲食で逃げて罪に問われるのはむしろ俺?いや明らかにあいつらはアウトだから彼らも警察沙汰にはできないだろう。しかし可能性はゼロではない。警察も腐敗していて連携とってるかもしれない。宿に警察来たりして。国境で止められたりして……いやまさかな。

 

 

 

 

無事宿に戻る。

 

 

次の日の朝、他の人から別の日本人が同じ手口で同じ晩に40万円とられた話を聞き仰天。

 

ネット検索すると同様の被害話が出るわ出るわ。まったく気が付かなかった。

 

 

 

結局病院はあきらめたもののその次の日は普通に街を歩いて、とくに何も起きず無事出国もできたわけだけど、選んじゃいけない行動をしてしまったと痛感。逃げ切れて笑い話になったからまだいいものの、もし捕まってたら殴られ金をむしり取られるだけでは済まなかったかもしれない。家族や友人に迷惑や心配をかけることになってたかもしれない。軽率な判断をしたと猛省してます。

 

 

 


未だかつてないスクランブルな体験を胸に。
何事もなかったかのように、今日もイスラムの祈りの歌が大音量でイスタンブールに響き渡る。